2018年4月に読んだ小説は、

〇重松清 ファミレス 上下

〇中村文則 R帝国

〇柚月裕子 盤上の向日葵

〇原田マハ サロメ

〇佐藤正午 月の満ち欠け 

でした。

どれも、友達や図書館で借りた本(笑)でしたが、

すご〜くおもしろかった! 本との出会いに感謝です


〇重松清 ファミレス 上下

子育てを終えたアラフィフ夫婦の話。

男性の視点で描かれています。
主人公とその友だち(先輩)3組の夫婦が出てきます。
それぞれストーリーがあっておもしろい。

そして、この3人は、趣味が料理。(一人は本業)
料理教室の先生も登場し、
かんたんで美味しそうな料理レシピがたくさん載ってます!
おもわずメモってしまいました^^

中年夫婦の危機、中年期危機の物語。

ファミレス、というタイトルの意味は、なるほどー!とうならされました。

明るくコミカル、ちょっとシニカルでリアルで、楽しめます!



ファミレス (上) (角川文庫)
重松 清
KADOKAWA/角川書店
2016-05-25



ファミレス (下) (角川文庫)
重松 清
KADOKAWA/角川書店
2016-05-25





〇中村文則 R帝国

教団X を読んだことありましたが、それを超えるおもしろさ、という評判のこの本。

カルト宗教教団を描いた「教団X」とても衝撃的でしたが、

「R帝国」も、ここまで書くか〜 というような問題作かな!?

近未来のR帝国(たぶん日本)を描いたディストピア小説ですかね。

R帝国は近隣の国と戦争をしている。

HP(ヒューマンフォン)という進化した携帯電話をみなが持っていて、
それはAIだが、人格があるともいえるのです。

この国には、言論と思想の統制がしかれ、心に傷を負って精神科に行くと、

過去の記憶を消す作用のある薬を処方される。。。

ちょっと笑えない話です。

そして、国が戦争をする理由とは…!?

著者は「あとがき」を書いているのですが(小説であとがきは珍しいですよね!)

そこにこの小説を書いた意味と、著者の願いが表されていました。




R帝国
中村 文則
中央公論新社
2017-08-18




〇柚月裕子 盤上の向日葵

柚月裕子さんの作品ははじめて読みました。

ミステリーです。おもしろかった!!

将棋をめぐる物語。

羽生名人を思わせる天才棋士と、対する、東大卒のアマチュアからプロに転向した上條、このふたりの対戦から物語はスタートします。

なぜ将棋なのか?

それは埼玉の山奥から発見された身元不明の遺体とともに、

非常に価値のある将棋の駒(高級駒)が一緒に埋められていたからです。

上條の不幸な生い立ち、そして、東大で将棋をやりながら、ある真剣師(賭け将棋で生計を立てている人)に出逢い、その世界に巻き込まれていくのです。。。

将棋の勝負の様子が棋譜などが細かく描かれるます。

ワタシは全然わかりませんが、それでも、緊迫感や勝負の凄さだけは伝わってきます。

将棋を知っている人が読んだら、面白さ倍増なんだろうな!

そしてこういう裏の世界の凄さにも驚きました〜

女性だけど、柚月さんすごいな〜 
映画化された「孤狼の血」という警察とやくざの小説も書いてますカラね!



盤上の向日葵
柚月 裕子
中央公論新社
2017-08-18




〇原田マハ サロメ

オスカーワイルドの戯曲サロメ 

新約聖書のなかの一シーンをもとにした戯曲ですが、

その挿絵を描いたオーブリー・ビアズリー をめぐる物語。

オーブリーの姉、メイベルの視点で展開していきます。

ミステリー仕立てでおもしろい。

画家の卵 オーブリーと、女優の卵 メイベルが、

のし上がっていくためにとった手段とは。。。!?

悲しいですが…

オーブリーの作品がみたくなること請け合いです!!

ウィキペディアをみると、

オスカー・ワイルド、オーブリー・ビアズリーと姉のメイベルのことは

わりと史実に基づいているようです。

この3人のこと、ほとんど知らなかったので、新鮮でした!

幸福な王子の作者、オスカーワイルド、男色を訴えられて、刑務所に入り、出所後も悲運のまま数年後に死去(46歳)。

オーブリー・ビアズリーも、19世紀末の天才的な画家と言われたけれども、

25歳で結核で亡くなっています。

でも二人とも、日本の作家や、画家、マンガ家に大きな影響を与えているのですね!

この二人を題材にする原田マハさん、さすが〜!



サロメ
原田 マハ
文藝春秋
2017-01-16




〇佐藤正午 月の満ち欠け 

直木賞作品です。

最初は、話がよく見えないのですが、あとになるとわかります^^


男性の視点で淡々と語られる物語。

青森八戸出身の男が、大学で同郷の女性と再会し、就職し、結婚し、子どもをもうけ、

ふつうに幸せに暮らしていたのが、ある日、7歳のむすめが高熱を出し、

何日かたって快復したとき、驚くべき変化をみせるようになった。。。

という、お話で、そこからどんどん展開します。

言ってしまえば、「生まれ変わり」をテーマとするお話。

「生まれ変わり」を大げさに扱うのでなく、

「生まれ変わり」なんて信じられない、というふつうの常識人の心の動きが

繊細に描かれているな〜と思いました。

そして登場人物ひとりひとりの描き方がとってもいいな〜と。
(キャラがかぶっていて、見分けがつかない人もいますが)

ちょっと村上春樹っぽくもあり(あそこまで個性的ではないですが)

梨木香歩っぽくもあり、現実と「生まれ変わり」というファンタジー(?)が

融合しているような感じがしました(あくまでワタシの印象)。

おもしろかったです!

月の満ち欠け
佐藤 正午
岩波書店
2017-04-06




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