ちょっと遅くなりましたが、(^-^;

2017年3月に読んだ小説は、

●蜜蜂と遠雷    恩田陸
 
●代体   山田宗樹
 
●ありふれた祈り   クルーガー
 
でした。
 
 
あと、心理学関係の本も読みました!
 
「身体はトラウマを記録する」
 
 
●蜜蜂と遠雷
 
4344030036 蜜蜂と遠雷
恩田 陸
幻冬舎  2016-09-23


by G-Tools
 
この作品は、直木賞とともに、本屋大賞第一位と、ダブル受賞でしたね!
ファンとして、うれしいです〜
恩田陸さん、おめでとうございます!!
 
 
日本で開かれたとある国際ピアノコンクールの予選から本選までを描いた
ドキュメンタリータッチの物語。
 
父親の養蜂業を手伝い、正式なレッスンを受けたことのない、
天才、神童ともいえる、少年、塵(じん)
 
(こういう、ちょっと現実離れした設定は、
恩田陸さんらしいところなのかも!)
 
天才的でカリスマ的な魅力を持つ、
ハーフのマサル
 
マネージャーとしていつも一緒にいた母の死というトラウマをかかえ
ピアノから遠ざかっていた女の子、亜夜(あや)
 
そして、
音楽家になることをあきらめ、楽器屋で働く妻子持ちの男性  明石(あかし)
 
 
この4人のこれまでの人生と、コンクールでの心の動き、熱演、
ピアノの音色や響き、ニュアンスが伝わってくる
宝石のような文体で綴られています。
 
 
知らないピアノ曲のたくさん出てくるので、
ピアノがききたくなる〜!
You Tubeで検索して、曲を聴きながら読書、というスタイルとなりました^^
 
音楽と自然ってこんなふうにつながっているんだ〜と妙になっとくしたり。
 
個人的には、やっぱり年齢も近いせいか、
明石さんに思い入れしてしまうなあ
演奏家をあきらめたものの、コンクールには出場して、ある意味夢を果たし、
でも、限界を知り。。。というような。
 
長編で読みきれるかなあと一瞬ひるむけれど、
どんどん引き込まれてしまった小説でした!
 
 
●代体
 
4041041260 代体
山田 宗樹
KADOKAWA/角川書店  2016-05-28


by G-Tools
 
 
山田氏の小説を読むのは2冊目ですが、(1冊目は、百年法)
百年法と似た、近未来小説(SFチックな)であり、
身体と心(精神、脳)の問題ーー人間とはなにか、という問題でしょうーー
に迫る、すごい作品だと思いました!!
 
病気の治療などをしていて、身体が動かないのをロスと考え、
その間に、意識を身体から取り出して、
代車ならぬ代体に「転送」して、そちらが仕事をする、という時代の話。
 
そのシステムにエラーが出てしまった場合に生じる人間の苦しみ、
システムを自己の利益のために利用しようとする悪、など、
やっぱり、意識と身体を分けるって、そう簡単にはいかないよね。。。と思わされました。
 
しかし、脳科学が進んでいけば、こうしたことも夢ではなくなってくるのかもしれないですね、恐ろしい。
 
記憶とは何か、誰のものなのか、人間の主体性とはなんなのか?
いろいろと考えさせられるのであります。
 
 
●ありふれた祈り
 
4151823514 ありふれた祈り (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ウィリアム・ケント・クルーガー 宇佐川晶子
早川書房  2016-11-09


by G-Tools
 
お友達から良かった〜と聞いて、読んでみることに。
 
戦後まもなくぐらいのアメリカ?
キリスト教会の牧師の家庭とその隣人をめぐる物語。
 
中年を迎えた主人公が、自分の少年時代を振り返るという、
スタンドバイミーににているかも、と思いました。
 
少年が大人になるためのイニシエーション(通過儀礼)の物語ともいえるだろうし、
家族の再生の物語ともいえるかもしれません。
 
淡々と進んでいき、途中までは多少たいくつ(汗)。
後半、物語が大きく動き、一気に読んでしまいました。
 
タイトル「ありふれた祈り」の意味がわかるシーンがあり、
思わず涙。
じ〜んと余韻が残る文章、素敵な小説でした!
 
 

ポチッと応援クリックありがとうございます♪

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

 

にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ