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梨木香歩さんの「裏庭」という小説は
彼女の代表作のひとつと言えるでしょう。
 
まえに一度読んだことがあるのですが、
そのときは複雑〜という印象が強くて、
あまり覚えていないので(汗)
もういちど挑戦することにしました!
 
今回は集中して読めました。
すご〜くおもしろかったです!
 
13歳の女の子が主人公の、
ジャンルで言えば、ファンタジー、
児童文学なのでしょうが、
解説を河合隼雄先生が書いていることからも
わかるように
非常に深いこころの世界を描いています。
 
両親がレストランを経営して忙しく、
一人でいることが多い13歳の「照美」。
実は6年前に、双子の弟「純」を亡くしています。
照美はよく思い出せないのですが、
一緒にいたときに、純が池に落ちてなくなっているのです。
 
その悲しみを封印している両親と照美。
照美に対してそっけない母親「さっちゃん」も
その母にネグレクトされて育った、という
心の傷を負っているのでした。
 
裏庭というのは、
照美の住む街にある
「バーンズ屋敷」という
西洋館のなかの裏庭のこと。
 
バーンズ屋敷の裏庭は、実は
鏡を通ってしかいけないし、
戻ってくるのも難しい
場所なのでした。
 
照美の祖母世代の
レイチェルとレベッカという
バーンズ屋敷の姉妹。
そのふたりや友人をめぐる物語も
絡んできて、
「現実の世界」と「裏庭の世界」
がパラレルに進んでいくストーリーになっています。
 
あらすじはそのぐらいにして、
抽象的ですが
思いつくままに。。。
 
 
誰もが心の中に裏庭を持っている。

本当は見たくない、人前にさらすことのできない庭を。

心の裏庭、それは実は「裏」ではなく

最も大切なものだが外には見えない。

人は、悲しむべき時に悲しみ

怒るべきときに怒らないと

大きなつけが回ってくる。

下手をするとそれは、子供や孫の代まで及ぶ。

心の癒しとは、

決して簡単なお手軽なものではない。

照美のように命がけの体験をすることだったり、

実際に命を落とした人もこの物語には登場する。

癒しとは?

心の傷とは?

自分らしさとは?

を問われる物語。

 

庭は、庭師に手入れしてもらうか

自分が庭師にならないといけない。

 

心の庭しかり、

家族という庭=家庭しかり

そして、ときとして、 

子どもの「問題行動」は、

親自身の傷を

癒しへと導くのかもしれない。 

 

 









4101253315 裏庭 (新潮文庫)
梨木 香歩
新潮社  2000-12-26


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