「和菓子のアン」がおもしろかったので、(レビューはこちら)
同じ作家さんの「切れない糸」を読みました。
和菓子の。。もそうですが、この作品も、
ある意味、推理小説なんですよね。
殺人事件や刑事事件がない。。。
なぞときっていうんでしょうかね。
ソフトミステリーと勝手に呼ばせていただきます^^
ビブリア古書堂の事件手帖、だったり、珈琲店タレーランの事件簿、だったり、
ソフトミステリー、流行ってますね!
という前置きはこのぐらいにして。
「和菓子のアン」は文字通り、和菓子屋さんが舞台でしたが、
今度は、商店街のクリーニング屋さんが舞台。
クリーニング店を営んでいた父親が突然、倒れ、亡くなり、
大学生の長男が、想定外だった、店を継ぐ、というか
とりあえず、働くことになる。。。という、
ミステリーというより、青春小説かな。
そこで出会う人々に隠された、
小さなミステリーを、
同じ大学の友人、沢田がおもに解いていく、という設定。
主人公のカズもいい奴なんですが、
この沢田くんがワタシにとっては魅力的。
優しくてまさにソフト、人をよく観察して、
洞察力があり、コミュニケーションが上手。
でも、自分のことはなかなか明かさなかったりして
ミステリアスなのです。
クリーニング店の仕事なんてあまり想像したことなかったですが、
人様の服を預かる=非常に、個人情報にあふれた世界なんですね、これが。
そのお預かりした服から、いろんなことを推理して、謎を解いていくんです。
それとともに、お店に長く勤め、家族同然のアイロン職人シゲさんの秘密。
シゲさんというメンター、そして、沢田という親友を得て、
カズは、嫌いだったクリーニング店や商店街というものを見直し、好きになり、自分に対する気づきも深めていく。。。
「切れない糸」というタイトル、最初はなんだか古くさいな〜という印象でしたが、言い得て妙。いろんな含みがありますね。
一言でいえば、切れないつながり。人と人とのつながりのことでしょう。
亡き父とのつながりを、仕事を通して、何度も確認させられるカズ。
父とシゲさんとのつながり、沢田と自分とのつながり、
商店街の人たちとのつながり。。。
さわやかで、楽しめます。
この続きが読みたい〜と思わせる作品でした♪
切れない糸 (創元推理文庫) 坂木 司 東京創元社 2009-07-17 by G-Tools |
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