2014年も残すところ あと2週間になりましたね!

今年読んだ本は、70冊に届きそうです。
(冬休みに読む本も、学校からたっぷり借りてきました[E:happy01])

このところ毎年このぐらいの冊数。

これ以上は難しいかな〜という感じ。ホントはもっと読みたい本があるのですが。。。

70冊のうち、9割以上は小説でした!
数年前は、心理学関係の本や、自己啓発、ビジネス本ばかり読んでいたのに。。。そのときに読みたい本って自分の状態を表してるんでしょうかね?

読んだ本は、ほとんどをこのブログに感想など書きましたが、まだ書いていないものが。。。

それは村上春樹の小説[E:shine]

今年は2冊読みましたよ〜 両方とも大作ではないけれど、とてもよかった〜

心に残る2冊でした[E:heart04]

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

これは、昨年、出版されたものでしたが、その1年後(今年の春)に読みました♪
(図書館ではなくて、買いました)そして最近、再読し。。。あ〜こんなお話だったっけ?とすっかり細部を忘れていまして、あらためて楽しめました!

ちょっとだけ、ノルウェイの森を彷彿とされるような。。。

主人公は、現在36歳の独身男(多崎つくる)。

高校時代の完璧な調和がとれていた男女5人グループが、卒業後、彼だけがその輪からはじき出され、絶望の底に突き落とされ。。。

16年経っても癒されないことを自覚し、その4人に会う旅に出る、というもの。

フィンランドまで行っちゃうんですけどね!

村上春樹の小説は、北欧がよく似合うと思う。。。

そして今回も、ハルキワールド全開!

わけがわからないリアルな「夢」が大きな意味を持つし、不思議な人物が登場したり、「指が6本ある人」についての考察、精神と肉体の分離と融合、ある日突然、暴力的に関係が切られるというエピソード。。。

深く傷を負ったけれども、自分も他の人を傷つけたかもしれない、と自覚し、その傷ーー冷ややかな芯をゆっくりと溶かしていこうとする前向きな主人公の態度で小説は終わります。

「色彩を持たない」というのは、一義的には彼の名字のことなんですが(他のメンバーはみな名字に色がついている)、それだけでなく、彼は自分には色、つまり個性がない、と思って劣等感を持ったり、具体的な物を作るのが好き、電車の駅が好き、ということから、鉄道会社で駅を設計する仕事についたり、、と、あれ?というような「特性」を持つ人なのかな?と思うほど。

静かで孤独を好む、知的で受け身的な男性。

今回も、そういう男性が主人公であり、積極的な女性に促されてフィンランドへの旅にでるという。。。彼にも能動性は出てくるのですけれどね。

ちなみに、この小説のテーマ曲(主人公が繰り返し聴く曲)は

リストのピアノ曲 <巡礼の年 第1年スイス> ル・マル・デュ・ペイ

https://www.youtube.com/watch?v=uNmaBm9_nno

日本語では郷愁というタイトルが付いているようですが、胸の奥をぎゅっとつかまれるような、すごく素敵〜な曲でした☆

 

4163821104 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹
文藝春秋  2013-04-12


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「女のいない男たち」

これは短編集ですが、みな「女のいない男」をモチーフとしています。

妻だったり恋人だったりの死別や離別。

「恋人」とも呼べない不思議な関係の男女も出てきますが、

それぞれの「関係」が壊れる時、あるいは失われたとき、

男たちはどうするのか、何が起こるのか。。。

喪失感に打ちのめされて病んでしまう男もいれば、

その気持ちを否認して、抑圧して、別の形でゆがみが表れてしまう男も。。。

村上春樹の小説は、ほとんど、「喪失」、それも予期しない、突然の「喪失」を描きますが、秀逸ですね〜

「おれは傷つくべきときに十分に傷つかなかったんだ、と木野は認めた。本物の痛みを感じるべきときに、おれは肝心の感覚を押し殺してしまった。痛切なものを引き受けたくなかったから、真実と正面から向かい合うことを回避し、その結果こうして中身のない虚ろな心を抱き続けることになった。蛇たちはその場所を手に入れ、冷ややかに脈打つそれらの心臓をそこに隠そうとしている。」(p.256-257)

 

4163900748 女のいない男たち
村上 春樹
文藝春秋  2014-04-18


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