海堂尊の最先端医療ミステリー 「モルフェウスの領域」を読みました[E:shine]

派手なキャラの人物が出てこないわけではありませんが、

主人公のふたりが、静かな人々(ひとりは、ほとんど眠ってるし。。。)なので、

落ち着いた、しっとりした作品に仕上がっているな〜と思いました。

 

モルフェウスとは「眠りの神」。

医療上の冬眠ならぬ「凍眠」している少年を「モルフェウス」にみたて、

彼を5年間、24時間管理し見守る涼子(研究センターの非常勤職員なのだが)は、自らをモルフェウスに仕える巫女として、アイデンティティを確立しているようでもあります。

モルフェウスである少年と巫女である涼子の、なんとも不思議な「人間関係」。

その危うい(?)関係性をテーマにした小説です。

ドナーと患者は、互いの情報を一切知らされないように、

凍眠(コールドスリープ)しているスリーパーとその管理者は、知り合ってはいけないと決まっているのだそうですが、

小説では、それが守られずに(涼子は拒否したのですが。。)

二人は互いを知るようになります。

そして、モルフェウスを世間から護るために

とった、涼子の秘策とは。。。。!?

う〜〜む、なんだか現実離れしている感じがしなくもないですが、

(医療の倫理的にどうなの?っていうところもありますし。。。)


あえて、現代のワタシたちに適用すれば、

自分の「仕事」や「役割」をメタファーでとらえること、

そして、そこにコミットすること、

そこでの出会いに開かれていること。(思い込んだり決めつけたりせずに)

そこから、新しい関係性が、新しい世界が広がっていくのかな〜と。。。

(なんか、無理矢理?)

愚痴外来の田口先生がちょこっと出て来たり、如月翔子看護師、高階院長など、シリーズのメンバーが出てくるので、それも懐かしく楽しくて☆

はい、文字通り、神秘的な、ミステリーでした[E:coldsweats01]





4041008301モルフェウスの領域 (角川文庫)
海堂 尊
角川書店 2013-06-21

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