「身体感覚を取り戻す」や「声に出して読みたい日本語」でファンになった齋藤孝さんの最近の著書「加速力で成功をつかめ!」を読みました。全体的にいまの私にはあまり関係ないかな~という感じでしたが、ひとつだけ「私淑力」という点に興味をひかれ、やってみようかな!と思いました。

 私淑とは「ひそかに、よしとする」ということだ。直接教えを受けていないが、その人を慕い、その行いを模範として学ぶ。直接教えを受けると「師事」になるが、私淑の場合、たとえば「ニーチェに私淑する」「ゲーテに私淑する」など、直接習いようもない人から師弟関係を想定して学べるようになる。

  つまり、私淑とは、本を通して学ぶことなのだそうです。しかも本をただ読むというより、著者が「わたし一人のために目の前で語ってくれている」と想定して(笑)、本を読むこと、「自分の先生の言うことだから、何が何でも吸収しなければならない」と考えて読むことなのだそうです。

 私淑のいいところは、自分で勝手に選べるところ(故人でも大丈夫)、お金がかからないところ(本代のみ)、人間関係のわずらわしさがないことだと。

 しかも「現代は情報が豊富なので、私淑しやすいようにできている」と。なるほど!!

 さて、それらのことを踏まえた上で、「自分のおきにいり」といえる人を三人ぐらいつくるのがいいらしいです。自分の領域に近い人など現実の人を一人、その領域の巨人と言える人を一人、最後は全く違う領域の人にするのだそうです。たとえば「ビジネスマンなのになぜかゴッホに私淑している」とか。それは、心の避難所、安息所であり、心に活力を与えてくれるんだそうですー。

 恥ずかしながら、私淑の意味を知らなかった私。

 私淑の意味は知らなくても、それと似たようなことは多くの人がしているのかも。カリスマ主婦とかカリスマ○○の本を買い、講演会に出かけるのも、私淑と同じような現象なのかもしれないと思いました。

 あえて、「私は○○さんに私淑している」と意識化し、宣言すると、吸収力も「加速」する、と齋藤さんは言いたいのでしょう。

 私はだれに私淑しようかなと考え始めましたが、これが思いの外、難しい。心理臨床家に尊敬する方はたくさんいるけれども、この人に私淑してます!と言いたい人を、まだ絞り切れてないんだなと気付きました。それに、その人が、たくさんの著書(論文)を残していることが前提条件ですし。

 三人目の違う領域の人を選ぶのは楽しそう。ナチュラルでスローなライフを楽しんでいる達人に私淑したいな~!