最近、教会の子育て講座で読んだ聖書の一節が、心にずっと残っていました。それは、アブラハムの妻の女奴隷ハガルが、その子供ともども家を追い出され、荒野で死を覚悟したときのことです。
・・・・ 神は子供の泣き声を聞かれ、天から神の御使いがハガルに呼びかけて言った。
「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。神はあそこにいる子供の泣き声を聞かれた。立って行って、あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかり抱き締めてやりなさい。…」(創世記21章から) ・・・・
へえ〜、聖書にこんな場面があったんだ〜、というのが第一印象。そして、自分にとって苦手、かつ、とても大切なことが語られているような気がしたのです。なぜって、私にとっては、自分の子が泣いているときの扱いは、どうも苦手・・やさしく「よしよし」ができません。イライラしてしまったり、あっちいって!と言いたくなるときも・・・(鬼母じゃ〜)
そのすぐあとで、このような本を見つけました。
「ちゃんと泣ける子に育てよう」(大河原美以著 河出書房新社)
しかも表紙には、泣いている子どもを抱きしめている母親の絵が・・!! 買うしかない!、というわけで、職場に買ってもらいました(笑)。読んでみて、予想以上に、すばらしい本でした〜今年イチオシの本かもしれません。何度も読みたいので、自分用にもはやり買おうと決意しました(笑)。
著者は、臨床心理士で、大学の心理学の先生。お母さんでもあります。
副題に「親には子どもの感情を育てる義務がある」とあるとおり、、幼児〜小学生ぐらいの子どもをもつお父さんお母さんと、小学校の先生向けに「子どもの感情を育てる」ことがとてもわかりやすく書いてあります。
自分の子育てにとっても、非常に参考になったのと同時に、仕事で出会う保護者の方、学校の先生たちにも、この本をお薦めしたいし、相談活動にも使える〜!!と思いました。実際、かなり、この本に書いてあったことを使って「助言」してます(笑)。
「ちゃんと泣ける子」っていうのは、ネガティブな感情〜悲しい、苦しい、つらい、怒り、悔しいなどなど〜を身体で感じたときに、それを表情(泣くことも含め)であらわし、かつ、言葉で表せる子ということだそうです。
そのためには、親や周りの大人がそうした言葉を教えること。その気持ちを否定せずに、受けとめてあげること、つまり「しっかり抱きしめる」(実際にするまたは比喩的な意味で)ことができる大人がいて、はじめて子どもは「ちゃんと泣ける」のだと。受けとめる大人(親)自身が、安定していることが必要だそうです。
親も先生も「思いやりのある子になってほしい」とよく言いますが、その「思いやり」を育てるには、まず、子どもが「ネガティブな感情」を体験し、言語と非言語で表すことが必要なんですって・・・!!目からうろこであります。
うちの子ども達への対応にも、少しずつ取り入れているところ。私がうまくできないときもあるけど、たまにうまくいって、子どもと必要以上のバトルにならずに済むこともあり・・・良い本との出会いに感謝♪
コメント
コメント一覧 (7)
そんな分かりやすい話もちりばめてあるのですか?
yajikoさん、本を読まれているのですね!
うれしいです。らくだの話しをちょっとバラしますと、「らくだの涙」というモンゴルのドキュメンタリー映画の話が引用されています。母親らくだが難産の末産んだ子を育てようとしない。そんなとき、モンゴルの人々は、母らくだに、馬頭琴の音色をきかせる、そうすると母らくだは子を拒絶するのをやめて乳を与える。母らくだは涙を流す・・。母親を批判するのでなく、その見えない傷つきに対して優しい目を向けて見守る社会が、親子を救う・・という文脈です。このところも強く強く共感しました!
本を読まれたのですね。
そして、ブログのほうで、ご自身の経験をふまえて本の紹介をしてくださり、うれしいです!
いろんな人に勧めたくなる気持ち、同感です!
私も繰り返し読んでいて、そのたびに教えられ、涙が出ることも。
chizuさんの文章を多くの人に読んでいただくためにも、よかったら、トラックバックしてみてくださいませんか?
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