ワーキングマザーacoのシンプルな日々♪

社会人の娘、大学生の息子の母 フルタイムで働くacoのシンプルな暮らし。 日々の記録、好きな本、映画、ドラマの話、子どものことなど

2018年02月

2018年2月に読んだ小説は、
無痛(久坂部羊)、BUTTER(柚木麻子)、淳子のてっぺん(唯川恵)でした。


BUTTER



BUTTER
柚木 麻子
新潮社
2017-04-21



好ききらいが分かれる作品かもしれません。
柚木さんは、女同士の関係をテーマにした小説が多いですが、
「ランチのアッコちゃん」の明るさ、さわやかさを期待するとがっくりです。
それと真逆の、「ナイルバーチの女子会」に似た、
女同士のドロドロ、心理をしつこいほど描いた作品。

まさにバターのように、濃くて、こってり、胃にずしんともたれる小説かも。
でもワタシは好きです!心にずしーんと残りました。
ハラハラドキドキしたり、イライラしたり、最後は、涙してしまいました。



  結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。
  週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。
  だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていく―。読み進むほどに濃厚な、圧倒的長編小説。(Amazonウェブサイトより)


そうそう、あの木嶋佳苗事件をモチーフにした小説。
でも、事件そのものではなく、主人公の里佳が、容疑者梶井、親友の怜子、その他の女性と会ううちに、自分の生き方をえぐられる

女性の生き方についての小説なのです!

梶井と面会し、彼女に聴いた料理を自分で作り、彼女の故郷を訪ね、その実家で生活する、
彼女の通った料理教室に自分も通う。。。と梶井の人生をなぞるように疑似体験し、
里佳が得たものとは。。。

実に、恋人、親友、亡くなった父親との関係が大きく変化するほどの影響がありました。

梶井の影響、というより、そこから里佳が考えたことの結果だと思いますが。


だれのためになんのために料理をするのか?
男性に自分を愛してもらうため?
自分が食べて満足するため?

女性の生き方、家族のあり方、ゆるくつながるとは。。。?

すべて答えが出ている訳ではありませんが、
いろんな空想が広がる、読み応えある小説だと思いました!

これを読んで、バターしょうゆご飯を食べてしまいました^^

ふだん料理にバターをあまり使いませんが、
いざ使うときは惜しみなくたっぷり使うと美味しいのですよね〜やっぱり!

ちび〇〇サンボの虎がバターになるという物語が随所に使われていて
それも絶妙なメタファーになっていました。



淳子のてっぺん


淳子のてっぺん
唯川 恵
幻冬舎
2017-09-07


登山家 田部井淳子さんをモデルとした小説。
福島で育った幼少期から、エベレスト登頂をなしとげ、
晩年、がんと戦いながら、3.11の被災者である子ども達を
富士登山に連れて行くというシーンまで。

ちょうど私の母の世代の女性、淳子の一生が描かれています。

女性でありながら、小さいときから山登りが好き。
女子大に入っても、良妻賢母を目指す学友に違和感を感じ
女ひとりで、男ばかりの山岳会に入るのですが、そこでの女性ならではの苦労。

登山自体のハードさ、技術習得の大変さ、死と向き合う極限状態のメンタルなど
も描かれるのですが、
集団で行う登山は、人間関係の苦労もかなりあるのだなあと感じました。


そんななかで、良き友や、最大の理解者であり支援者である伴侶を得て

(彼も山男ですが、山での怪我のために淳子を支える側に徹します。
それがまた良いのです。涙)

女性だけの隊を組んで、アンナプルナ(7555m)へ。
そして、女性初のエベレスト(8848m)登頂へ。

富士山の倍以上ですからね〜
考えただけでも頭がくらくらしてしまいます(笑)

女性だけということでスムーズに行くかと思いきや、
そうではないんですね〜 真逆でした。

女性集団を導くことの困難さ、女性リーダーの大変さが
事細かに書かれていました。
(ちなみに淳子は2回とも副隊長なのですが、それでも葛藤が大きいのです)

いまから何十年も前の話なので、現在の登山のスタイルとは
違うらしいのですが、海外遠征って莫大な荷物と人数で数ヶ月かけて
こんなに大がかりに行うんだ、
登山でキャンプからキャンプへ行ったり来たりしながら、
荷物を運ぶのか。。。と目から鱗でした。

パイオニアというのはどこの世界でも大変だと思いますが、
それを登山という世界で、日本人女性が偉業を成し遂げたって
すごすぎませんか!?


この小説が連載されている最中に逝去された田部井さん。
こんな素敵な日本人女性がいたんだ、と誇らしく思えました。

読みやすく感動的な小説に仕立ててくれた著者にも感謝です☆


無痛


無痛 (幻冬舎文庫)
久坂部 羊
幻冬舎
2008-09-01



著者は医師。Twitterか何かで紹介されているのをみて、読んでみました。

見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条―。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そして八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が…。(「BOOK」データーベースより)

これ読んだだけで、めっちゃおもしろそうでしょう!?

「みるだけで症状がわかる」とは、透視能力とかいうわけではなく、身体(皮膚や爪や、目、など含む細かい所)の徹底した観察力によるものなのです。
一人の医師は、「治る」「治らない」もわかってしまい(予想できてしまい)、
治らない人は、みないで他の病院を紹介するというやり方(もちろん患者さんにはそうはいいません)。

臨床心理士もでてきて、いろいろと考えさせられる(笑)。

医療とはなにか、医者とは何をする人なのか。
(心理療法、臨床心理士に置き換えてもよいでしょう)

人は「治る」のか、医療や心理的なケアが「治す」のか。

そういった問題提議がなされていると思うのですが、
登場人物というか本書の答えはわりとはっきりしているように思えました。

そして、ミステリーとしては、エグいです。
読むのが辛いシーンがあるので、
繊細な方は、やめたほうがいいかもしれません!

ぞぞ〜っとして刺激的そして、ヘヴィーな小説でした。



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明日は、メインのお仕事(スクールカウンセラー)がお休みなので
(試験のため、カウンセラー室は閉じます)

副業(?)のアンガーマネジメント講師のお仕事。

他県まで新幹線で出張してきます!
日帰り、強行日程ですが(笑)

5年前に、アンガーマネジメント(怒りのコントロール術)の講師になってから
(民間の資格を取りました)
自分でセミナー開いたり
公民館や学校などに呼んでいただいて
ぼちぼちと講師業を続けてきました。

人前で話すのはとっても苦手だったのに
あ、いまでも得意ではないですが、
アンガーマネジメントの話は楽しくできるようになりました。

話している自分が楽しいということです^^

いまは年に数回、呼んでいただいて、1度に90分〜120分の研修会をしています。

今年は、明日を皮切りに(?)
もう7回の登壇が決まっているという。。。
自分でもびっくりです。

(日程は、本業と極力かぶらないように調整しています)



アンガーマネジメント
今の世の中に必要とされているスキルなんだなあとしみじみ。


新幹線を使っての出張はめったにないので、
日帰りといえどもなんだか楽しみです。

良い研修会になりますように〜♪♪

楽しみながら頑張ってこようと思います^^



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