ワーキングマザーのシンプル&スローライフ

臨床心理士(心理カウンセラー)で大学生と中学生の母 acoのシンプルな暮らし

2008年04月

 GW真っ最中ですが、私も子ども達もカレンダー通り。後半はいつもと同じで、帰省の予定です。それでは、4月に読み終えた本のレビューをどうぞ。

【臨床心理学】

夢分析の実際―心の世界の探求 鑪幹八郎 

 専門家向けというより、自分の夢を分析したい人のための本。夢分析の注意点や危険な点もきちんと書いてあって、「夢とのつきあい方」についての良書です! 

 自分にとっては、「夢を警告として受け取る」ことの意味が府に落ちました。 最近さぼってるけど、夢の記録もぼちぼち続けたいなと思います。

発達障害の子どもたち (講談社現代新書) 杉山登志郎

 仕事上の必要のため、この本と次の本を読みました。この手の本の中では、杉山先生はピカイチです。発達障害についての研究は日々進展しているので、新しい情報が必要。中級者向けかな?だけど、まとまっていて読みやすいです。

軽度発達障害のある子のライフサイクルに合わせた理解と対応―「仮に」理解して、「実際に」支援するために  田中康雄

 保育者、教師、保護者からの質問に答える、Q&A集。こういう事例ある〜、とうなずきながら読みました。医療の診断を受けていなくても、このように情報をもちよって、支援できるのだなあと深く感心。連携にとって一番たいせつなのは、互いにねぎらい合うことーーご苦労様です、という気持ちーーという、著者(児童精神科医)の誠実さ、暖かさがじんじん伝わってくる。何度も読み返したい、実際に役立ちそうな本です。

カウンセリングで何ができるか 信田さよ子

 原宿カウンセリングセンター所長による著作。医療ではない、「カウンセリング」で長年開業しているからこそ自信をもって言える、書けるのだろうと思いました。本書に書いてあることが「カウンセリング」のすべてではないけれど、「カウンセリングを受けてみたい」という人たちへの啓発書。

 9.11以降、「こころへの注目」は、3つの領域に拡散しているーー「被害者・加害者」という司法領域、宗教、そして脳科学(うつ病の増加を背景として)、という指摘になるほど〜です。

【キリスト教スピリチュアリティ】

魂の窓 ケン・ガイア

 芸術作品や自然、人生で起きるさまざまな出来事などは、神のメッセージを受け取るための「窓」となる。さまざまな「窓」を通して、それを感じ受け取るためのガイドブックであり、著者の人生の証ともいえます。私も、芸術や自然、日々の出来事を味わい、深く見つめる感性を養っていきたい…と動機づけてくれる本です。(翻訳がいまいちなのが残念!)

 A.B.Chinen著 Waking the World --Classic Tales of Women and the Heroic Feminine--  (女性の心理童話)第2章の抄訳です。第1章はこちら

第2章 戦士の妻 ー力を取り戻すー (チワ・プエブロ)

【あらすじ】

 ある部族長の娘が青タカという名の戦士と結婚し暮らしていた。ある日、赤タカという友人の戦士が、青タカに賭をもちかけた。青タカが戦いに出る夜、青タカの妻と寝る、というものだった。青タカは渋々、賭を承知した。

 青タカの妻は、赤タカに隙をみせることがなかったので、赤タカは作戦を変更し、老婦に頼んで、青タカの妻の裸がどんな様子かをみてもらうことにした。老婦は青タカの妻の家に泊まり、裸を盗みみた。彼女には背中にあざがあり、おなかからは金色の長い毛が生えていた。

 老婦はそれを赤タカに報告し、赤タカは、青タカに「おまえの女房と寝た」と言って、あざとおなかの毛のことを話した。賭に負けたと思った青タカは、全財産を赤タカに譲った。そして、妻を動物の皮で作ったトランクに入れて、川に流した。娘がいなくなったことを知った部族長は怒って、青タカを深い穴に投げ込んだ。

 青タカの妻は、釣り人によって川から引き上げられ、彼と服を交換した。男性に変装した彼女は、近くの村に行き、戦士達のなかに入って、戦いに出向いた。戦士たちに、女性ではないかと疑われたが、切り抜け、おなかの毛の魔術的な力で、ひとりで敵を皆殺しにした。

 彼女は戦士達に認められ、引き留められたが、固辞して自分の部族のもとに帰った。青タカと赤タカの賭のこと、青タカの身に起きたことを聞いた彼女は、人々の前で、賭のことや自分のことを話し、青タカの釈放を命じた。穴から出てきた青タカと妻は抱き合った。

 彼女は、人々の前で、赤タカと老婦に罰を与えることを宣言し、男達に命じた。村人は、彼女が戻ってきたことを喜び、彼女の勇気をたたえて祝宴を開いた。彼女と夫は末永く幸せに暮らした。 

【解説】

 女性が主人公の物語が二人の男の話から始まること、二人の男が青タカの妻を性的対象として扱っていること、妻の名前が記されていないこと、これらは、多くの文化における女性の価値下げの現れである。

 青タカの妻のお腹にある金色の毛は、女性特有の力(妊娠出産)、母との原初的な結びつき、神秘的な力などの象徴であろう。

 妻は、トランクに閉じこめられて川に流されたが、それは死や抑うつ状態の象徴である。多くの女性が中年期に、家庭・仕事・身体上の「死」のようなものを経験する。

 助け出されたことは、再生の象徴であり、妻は、男装し、戦士として力を発揮する。男性的なエネルギーや自己主張、力、リーダーシップを手にしたのである。妻は、戦士として敵を殺すが、それは、攻撃性(自己主張し、対決すること)を取り戻すことが、抑うつ状態の解決になりうることを示している。

 青タカの妻は、自分の部族のもとに帰ると、人々の前ではっきりとものを言い、リーダーとなる。彼女個人の成長は、地域社会での役割につながっている。彼女は無力な夫を救うが、これは、中年期の夫婦が直面する、相補性という課題である。女性は勇気や自己主張を身につけ、男性は自分の脆弱性や依存性人間関係の大切さを認めることが内的な課題となる。

 青タカの妻は、赤タカと老婦を部族の者に処刑させたことで、個人的な復讐ではなく、共同体の正義という問題に変容させた。夫を赦し、正義と愛情、攻撃と赦しのバランスをとった。赤タカと老婦の処刑は、家父長制と価値下げされた女性という古い秩序の終焉と解釈することもできる。男性と女性が真の関係を築くことができる新しい社会が育つためには、その古い秩序が崩壊することが必要である。

 青タカは赤タカにだまされていた。無意識の中で眠っているのは男性であり、彼を目覚めさせ、何が起きているかを告げるのは、女性なのである。

【ゴリの感想】

 テーマがたくさんあって、解説を要約するのに手間がかかりました〜。かなり省いたので、わかりにくくてすみません (汗)。

 1章に続いて、自己主張性がテーマですね。しかも、自分の功績を公の場で誇り、共同体のリーダーとなるような自己主張ですから、すごい変化です。「死と再生」を経てそのような変容へと至るのでしょうか。男性と女性の相補性…ふむふむ納得です。

 今取り組んでいる3章は、わが(?)ロシアのお話。ご期待ください♪

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