2018年6月に読んだ小説は

中村文則 私の消滅

恩田陸 蛇行する川のほとり

若竹千佐子 おらおらでひとりいぐも

門井慶喜 銀河鉄道の父

伊吹有喜 なでし子物語

の5冊でした☆



中村文則 私の消滅

中村文則氏 教団XやR帝国がおもしろかったので、読んでみましたが、
これは、組織の狂気ではなく、個人の狂気。それに巻き込まれていく人々のお話。

精神科の薬やセラピーで、記憶が無くなったり、書き換えられてしまう

個人のアイデンティティとはなんなのか? というテーマ。

そして話が複雑! だれの語りなのか、どこからが事実でどこが嘘なのか、

2,3度読まないとわからない(ワタシだけ?)。

ネットの解説を頼りに読みました(汗)

私の消滅
中村 文則
文藝春秋
2016-06-18




恩田陸 蛇行する川のほとり

久しぶりの恩田陸さん♪

表紙の絵が素敵だったので、手に取りました(図書館で)。

美人でお金持ちの女子高校生4人、男子高校生2人の一夏の物語。

それぞれ過去があり、訳ありみたいなんですが、最後までわかりません。

最後の最後で、こういうことだったのか〜 とわかる仕掛け。

そしてこれってミステリーだったんだ〜 とわかるのでした。

彼女たちが、親なしで、川辺のお屋敷で過ごす数日間の生活のディテールが素敵で、

女子の細かい心理描写はさすがです。



蛇行する川のほとり
恩田 陸
中央公論新社
2004-11




若竹千佐子 おらおらでひとりいぐも


芥川賞作品。著者は63歳で小説家デビュー。その処女作だそうです。
素晴らしい!!

74歳の桃子さんは、20代で東北から上京。結婚し、子育てをし、
最愛の夫に先立たれ、一人暮らしをしています。

人生の秋(冬?)を迎えた桃子さんの独言が、なぜか東北弁になってしまうのです。

彼女の内面の旅を描いた作品。

若い頃を振り返り(というか勝手に記憶が過去に遡る感じ)
自分との対話を繰り返していきます。

最後にたどり着いた境地、その描写が圧巻でした。

だれにも奪われない自由、喜びっていうのかなあ。

東北弁がすごく効いているのです。

ワタシが「おらおらでひとりいぐも」の境地に達するのは、
いつのことになるのかな〜と思いながら(だいたい、達するのか?)
読みました。





門井慶喜 銀河鉄道の父

直木賞作品。タイトルに惹かれて楽しみに読みました。

銀河鉄道の夜の著者、宮澤賢治の父、の物語。

父からみた、賢治、家族。

宮澤賢治がどのような家系に生まれ、どのような人生を送ったのかがわかります
(もちろん創作も含まれているのでしょうが)

父親の視点だけあって、淡々と、客観的に、でも、心のうちもていねいに描いています。

堅実に商売をしていた父からみると、長男である賢治の性質を見抜き、それを受け入れるのは、

たいへんなことだったと思います。

賢治は、商売でなく、学問、そして信仰と芸術の道に入っていった。

それを受け入れることの葛藤やぶつかりあいもあったのですね。

賢治の姉の死を悼んだ詩 永傑の朝 が有名ですが、その詩の背景がわかって感動。

お姉さんは大変優秀で、日本女子大に入学。卒業の頃に結核に倒れ、24歳で他界されたのですね。

賢治自身も、父母に看取られ、37歳で逝去。

そのときの様子も詳細に描かれ、涙を誘います。








伊吹有喜 なでし子物語

伊吹有喜さんは、「四十九日のレシピ」を読んだことがありましたが、

これは、むすめが持っていた本。ぜひ読んで!と言われ、読みました。

心が温まり、じんわり元気のでる良い作品でした!

父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。


1980年、昭和が舞台の作品で、昔から商売をしていたお金持ちの家の別邸ー静岡、峯生の常夏荘という別邸を舞台に繰り広げられるしみじみとしたお話。

大人の都合で、寂しい思いをしている耀子(ようこ)と立海(たつみ)。

ふたりは学校へ行けなくなり、常夏荘で家庭教師とともに、夏〜秋を過ごします。

嫁である照子は、夫に先立たれ、東京にいる息子とも疎遠になり、ひとり、常夏荘で、使用人をとりしきる「おあんさん」を務めています。

耀子と立海が、家庭教師の先生やそこで働く人々、照子に支えられて、

人間らしい生活を送り、自然のなかで癒されて、成長していく姿がいいのです!

最後は少し寂しいのですが、明るい未来が待っている予感がして終わります。

古き良き、昭和のお話、という感じで、読後感がとても良かったです♪









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